無花果の花
いちいち素敵な言葉ばかりで、ずるいなぁと思う、私は言葉に関しては、女の子の紡ぐもののほうが好きなんだろうな。
もう自分の壊れ方について、なんにも感傷的になれないな、もうちょっと揺らいでもいいだろうにと思うくらいなのに。
私は揺らぐのがきらいなくせに、揺らぐことがないと生きていけないんだきっと。ばかだなぁ。
いつから枷が壊れてしまったのか、もう思い出せないんだよな。多分あのへん、て当たりは付けられるけど。事後的なもの。
何か削れてはいけないものがどんどん削り取られていく感じ。薄く薄くなっていく。そのまま跡形もなく無くなってしまえればいいのに、残念ながらそんなに儚い存在にもなれやしない。
もっと底の方に降りていきたい。あの日見た野音の景色、夕暮れのビルの街。海底にある静かな美術館のような。しんとした鮫の目のような。
とても綺麗だったの。
その苦しいの、ちょうだい。